話題店を訪ねて(有限会社渡辺機工):KOKI PRESS

有限会社渡辺機工 話題店を訪ねて

  • 豊富な在庫と品揃え、専門知識で
    地域にとって必要な店舗として、
    お客様の要望に応えていきます。

    〒988-0053 宮城県気仙沼市田中前三丁目6-10
    電話:0226-23-4745 FAX:0226-23-4642
    代表取締役:渡辺 和彦(創業者)
    主な取扱商品:電動工具、建築金物、建築資材

    有限会社渡辺機工 外観
    代表取締役 渡辺 和彦さま

漁業で勢いのあった気仙沼で創業。地域に根ざした商売で発展

世界三大漁場のひとつ、三陸沖に近く、水産関連業が盛んな街、宮城県気仙沼市。同市の唐桑町には、漁業で稼いだ漁師たちが競うように建てた母屋づくりの屋敷「唐桑御殿」が並びます。「昭和40~50年代頃、気仙沼は漁業で景気が良く、注文もたくさんあった。夢があったんですね」と語るのは、「渡辺機工」さんの創業者、渡辺和彦さん。当初は親戚の手伝いとして、大工道具や一部電動工具の行商をなさっていました。そのうち大工さんから直接、渡辺社長のもとに注文が入るようになり、この地でなら商売ができそうだと考え、独立して店舗を構えたそうです。そして創業から3年目には、渡辺社長の弟で現専務の渡辺伯雄さんが合流。兄弟二人三脚で店を盛り立て、大きく発展していきました。
社長に経営のモットーをお伺いすると、「そんなものはありません。生き残るために一所懸命。一日一日の積み重ねですよ」と語ります。そして社長の考えを補足するように、専務が話されます。「確かにその通りです。創業時、気仙沼には金物屋さんが5店くらいありました。他店には負けたくないと懸命にやってきたから、今現在があるのだと思います。それから積極的に営業活動を展開して販売エリアを広げました。やはり地域一番店にならないとお客様に思い出してもらえない。2番や3番ではダメです」。そして、2012年には社長のご子息である渡辺史麿さん(弊社の営業で5年間ご活躍)が入社され、2014 年には専務のご子息の渡辺直之さんが入社されました。

日曜日や祝日も休まず営業し、職人さんが遠方から訪れるお店

  • 「渡辺機工」さんは、商売が大きくなる度に広い場所へ移り、現在のお店は4ヵ所目。ゆったりとしたレイアウト、広々と見渡せる店内は、一般的な金物屋さんのイメージとは一線を画す店づくりとなっています。この店づくりを主導したのは、東急ハンズでの勤務経験もある専務の伯雄さんです。「ホームセンターの他、さまざまな店舗を見て、窮屈感のない、じっくりと商品を選んでもらえる店づくりを意識しました」。社長は「初めて来た人はびっくりするよね。やっぱり田舎の専門店なんて大したことないと思って入店してくる人が多いんだけど、品揃えも多いし、見やすいと言われます。陳列に関しては、売れ筋や新製品、季節商品を目立つ所に置くなど、お客様に飽きさせないように意識しています」と話されます。また口コミにより、一般のお客様も増加しているそうです。「一般の方には特に園芸用品が売れていますね。震災以降は、設備屋さんや電気屋さんも増えています。この辺りには、豊富な品揃えのあるプロショップは当社しかありませんから」と社長。「渡辺機工」さんは日曜・祝日も休まず、正月やお盆以外、年間360日ほど営業しており、地元のお客様だけでなく、遠方から職人さんが来店することもあるそうです。
    社長や専務の携帯電話には、日々何十件も職人さんから注文の連絡が入ります。「配達だけで1日が終わる時もあるから大変ですよ」と笑う社長ですが、こうした真摯な対応の積み重ねがお客様からの信頼につながっているのでしょう。

    専務 渡辺伯雄 さま

    専務 渡辺伯雄 さま

エンジン工具の修理も自社で対応。気仙沼市にとって欠かせないお店

「渡辺機工」さんでは、電動工具からエンジン工具まで修理は自社で対応。作業は直之さんが行っています。「刈払機、チェンソーが多いですね。だいたい月に30台くらい。直した後、エンジン音を聞いた時に達成感とともにやりがいを感じます」と話す直之さん。社長は「金物屋でエンジン工具の修理までできるところは少ないから、ウチの強みのひとつになっています」と語ります。
売れ筋の商品は、マルチボルト製品全般。特にコードレスインパクトドライバ(WH36DC)は、カラーバリエーションも豊富で好評だそうです。「気仙沼市には昔からHiKOKI(ハイコーキ)しか使わない根強いファンが多い。これからも良い製品を作っていってほしい」と社長からありがたいお言葉をいただきました。
「私が言うのも変ですが、気仙沼市にこれだけの品揃えと、専門知識のある店は他にありません。もしもなくなったら、地域の職人さんも困るので、しっかり続けていきたい」と社長。一方、後継者の史麿さんは「地域にとっても必要な店ですから、続けることが一番大事。ただ今後は、一般のお客様をはじめ、土木や水道、電気設備など、今まで当社であまり扱っていなかった商品を増やして、客層を広げたいという思いはあります。やるやらないは別として柔軟に考えていきたい」と将来を見据えておられます。
家族経営でコミュニケーションもしっかり取れており、明るい雰囲気の「渡辺機工」さん。これからも地域にとって必要なお店としてますますの発展が期待されます。

HiKOKI製品展示コーナー

修理が行われる作業台

「渡辺機工」スタッフ

遠くからでも目立つ展示

売れ筋のマルチボルトシリーズ

広々とした店内

カタログを利用した分かりやすい展示

好評の卓上スライド丸のこも展示