話題店を訪ねて(道具屋利作ワークス):KOKI PRESS

道具屋利作ワークス 話題店を訪ねて

  • 始めることが大事。
    失敗なんかないんです。
    違ってたら改善していけばいい。

    〒963-8045 福島県郡山市新屋敷2丁目135
    電話:024-926-0300 FAX:024-926-0330
    代表取締役:大藤 隆士(三代目)
    主な取扱商品:電動工具、作業工具、安全用品、作業着

    道具屋利作ワークス 外観
    代表取締役社長 大藤 隆士さま

持ち前のバイタリティと営業力で商圏を広げ、新規顧客を獲得

多くの企業が鎬を削る人口33万人の商工業都市、福島県郡山市。そこに営業開始から約5年で9,000名を超える会員を獲得し、職人さんから多くの支持を集めるプロワークセレクトショップがあるのを御存じでしょうか。「道具屋利作ワークス」さんです。独自の営業スタイルと先見性ある広告戦略によって、福島県郡山市のみならず全国のワークショップ・職人さんからも注目を集め、その認知度は全国的にも広く浸透しつつあります。「鍛冶屋を営んでいた創業者、大藤利作は『刃物の目利きに長け、刃物を一見してその切れ味を見切った』と伝え聞いています」と語るのは「利作ワークス」さんを事業展開する大藤隆士社長。昭和17年創業の「安達屋金物株式会社」さんの3代目として忙しい中、今回の取材オファーを快諾していただきました。
「利作ワークス」さんではメーカーや問屋さんを招いての勉強会を活発に行い、新しい挑戦や確かな知識の蓄積をされています。創業者であり店名にもなっている利作さんの精神をしっかりと受け継いでいるようです。
大藤隆士社長は、自動車部品の販売を行う営業職を経験したのち、家業の金物屋へと戻られます。この際に大きな戸惑いと苦悩を味わったそうです。「昔ながらの町の金物屋商売では、これからの時代の変化に対応することが出来ないのではないか」。そして、お客様を待つ店舗型の営業スタイルから、積極果敢な飛び込み営業・新規開拓へと大藤社長は動き始めます。「当初は相手にすらされませんでした。顧客を求めて誰も営業に訪れないような遠くまで足を伸ばすこともしばしばです。大事なのは始めることです」。

eコマースやYouTubeチャンネルなど、積極的に新たな取り組みにチャレンジ

【挑戦なくして、向上なし】。大藤社長が2007年の社長就任時、策定された会社理念です。「挑戦しなければ、個人も会社も成長しません。『失敗が怖くて挑戦できない』という人がいたとします。でも失敗なんかないんです。違うなと思ったら改善していけばいい。大事なのは始めることです」と力強く語る大藤社長。現在も購入履歴やポイントの貯蓄・管理ができる「利作ワークスアプリ」の開発や、有料デリバリーサービスなどの新規サービスの準備を行っており、すでにその視線は新しい挑戦を見据えているようです。また、業界内でもその効果が懐疑的だったeコマースをいち早く導入し、先駆的な企業戦略にもチャレンジされます。「もちろん最初は私ひとりです。eコマースに関する知識やPCスキルを半年かけて勉強し、手探り状態からのスタートです。幸いにも初月からある程度の売り上げを上げることが出来ましたが、さらに発展させるため、多くのトライ&エラーを繰り返す苦労の連続でした」。
こうした苦労が実を結ぶ契機となったのは、2017年のYouTubeチャンネルの開設でした。ブームに先駆けて開設し、2020年12月現在、チャンネル登録者数9,150人、最高視聴回数18万回以上を誇る人気チャンネルへと成長を遂げます。「お客様との壁を取り除くこと。これがチャンネル開設の一番の目的です。私たちが笑顔で商品を紹介すれば、面白い店だな、と興味を持って頂けるかも知れない。新しい商品をお客様に紹介しながら、入りやすいお店作り、何でもスタッフに気軽にご相談いただける雰囲気づくりの一環としてYouTubeを活用しています」。

退路を断ち、宇都宮店をオープン。将来を見据えた商品構成へ

「当店での売れ筋商品は36Vマルチボルト電動工具です。コードレスインパクトドライバ(WH36DC)、コードレス振動ドライバドリル(DV36DA)、コードレスディスクグラインダ(G3610DA)など。マルチボルトバッテリーの18V・36V電動工具の互換性とコンパクトな軽快性は、多くのお客様からも好評です。36Vのハイパワーと堅牢性、18Vの軽快性をユーザー様が選べるのもまたいいですね」と大藤社長からうれしい評価をいただきました。
「利作ワークス」さんでは、2021年2月に栃木県宇都宮市に新店舗をオープン予定。驚くことに、大藤社長は郡山市の自宅を処分し、宇都宮市に住まれるそうです。並々ならぬ覚悟を感じます。「いつでも帰って来られると思っていては失敗する。絶対に成功させるんだと腹をくくらないと、従業員も中途半端な気持ちになってしまいますから」と力強く語られます。5年後には茨城県内への出店も視野に入れておられるそうです。
「人口減少にともない、今のままでは住宅産業の衰退は避けられないでしょう。金物屋も従来と同じような地域密着型の商売では厳しい。今後どういった商品を取り扱っていくのか、冷静に見極めていかないといけない」と話す大藤社長。すでに「利作ワークス」さんでは、ワーク系の作業服であったり、5G普及により需要増が見込まれるインフラ関連の商品を取り揃えるなど、先を見越した商売を始めておられます。
時代の趨勢を見極め、常にアンテナを張り、常に新しい挑戦を続ける「利作ワークス」さん。今後どのような進化、発展を遂げていくのか。将来が楽しみなお店です。

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「道具屋利作ワークス」スタッフ

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