株式会社ホソノ 話題店を訪ねて
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お客様との絆をどう強めていくか、
それもやりがいのひとつです。
今後は広島県内に支店を出したい。〒729-0104 広島県福山市松永町5-10-15
電話:084-934-2210 FAX:084-934-9017
代表取締役:細野 慎一(二代目)
主な取扱商品:木工機械・電動工具・エア工具・建築金物
目立て職人としてだけでなく、優秀な営業マンとしても活躍
広島県内では、広島市に次いで人口47万人を要する中核都市、福山市。この地は広島県東部から岡山県井笠地方にまたがる備後圏域連携中枢都市圏としても栄え、独自の発展を遂げています。今回お話を伺った「ホソノ」さんが店舗を構える、福山市松永町は、明治時代には下駄をはじめとする履物産業、戦後には家具産業が発展。そして現在は全国でも有数の外材輸入地としての地位を確立する「木材のまち」でもあります。
「ホソノ」さんの創業は昭和47年。当時は「井上住器」という社名で、住宅設備機器の販売をされていました。社長の細野慎一さんは、この会社に就職が決まっていたのですが、「まずは手鋸の目立てを修行してきなさい」と言われ、奈良県の会社で5年間修行をされてから入社されます。「当時は目立てができることが大きな武器でした。目立てができる店に大工さんが集まってくるんですね。修業先では電動工具や木工機械を売っていたので、私がこちらに帰ってきてから同じように販売を始めました。それからは工具類の販売がメインになり、住宅設備機器はほとんど扱わなくなりましたね」と細野社長は当時のことを語られます。社長は目立て職人としてだけでなく、優秀な営業マンとしても活躍。そして平成14年、後継者のいなかった先代社長から会社を買い取る形で事業を継承されます。社長就任後、会社をさらに発展させ、平成25 年には株式会社へ組織変更。現在の社名へと変更されました。
コンプレッサの修理も社内で対応。高い技術力をネットショップでも活用
「ホソノ」さんの強みのひとつが修理対応です。電動工具から木工機械まで修理が可能。デモ機も一通り揃え、充実したアフターサービスにより、お客様から高い信頼を獲得されています。「例えば、インパクトドライバや釘打ち機は壊れたら新品を買う人も多いけど、コンプレッサはすぐに買い替えられない。そこで修理に出すわけですが、お客様としては早く作業の続きがしたいんですね。ですから、当社ではデモ機を5台用意して、修理対応期間はお客様にご迷惑をかけないようにしています」。「ホソノ」さんではコンプレッサの修理も社内で対応しますが、そこまでできる販売店は全国でもあまり例がありません。
この高い技術力を中古品の整備の方でも活かされています。同社では、中古木工機械の買取、販売をプロショップマシンセンターというネットショップで展開。「買い取った木工機械は、整備工場で木工機担当の整備士がモーターやベアリングなど、全部新品に交換。そして塗装をして販売しています」と語られる社長。先日も仙台まで納品に行くなど、引き合いは全国からあるそうです。修理を担当されているのが、ご子息の拳史さん。工具メーカーで4年間修理の修行をされ、「ホソノ」さんに戻ってきて5年目になります。「息子は電動工具の修理を担当しているんですが、近いうちに木工機械の方も習得してもらって、商品が一通りわかるようになれば、営業活動にも出て欲しいね」と今後の展望について話されます。
ハウスメーカーを紹介するなど、お客様との絆をより強固に
お客様との絆が強いところも「ホソノ」さんの特長と言えるでしょう。「大工のお客様をハウスメーカーさんに紹介することもあります。仕事につながったお客様は、それ以後ずっとうちで商品を買ってくれますから。どうやってお客様との絆を強めていくか、それもやりがいですね」。休日には趣味と実益を兼ねて、お客様と一緒に海釣りへ行くことも多いそうです。
店舗の展示コーナーには、センサーでライトが点くLED照明を設置。これは社長が自らL金具を活用して作ったお手製のものです。壁にはネットをつけて釘袋を陳列するなど、スペースを有効活用した展示を工夫されています。この店舗と修理を行う機械整備工場の他、倉庫もあり、店に置ききれない豊富な在庫を保管しておられます。
その他、毎年3月には、大規模なホソノフェアを開催。毎回多くのお客様が来場されます。さらにメーカーごとに年に1回、ミニ展を開催されています。
「ホソノ」さんに現在の売れ筋製品をお伺いすると「マルチボルトの評判が良いですね。特に売れているものは、コードレス丸のこ(C3605DA/C3605DC)、ドライバドリル(DS36DA)かな。やっぱり18Vが使える、互換性があるというのはとても強いと思います」とありがたいお言葉をいただきました。
「今後は優秀な社員を育成して、広島県内に支店を出したいね」と将来のビジョンを語られる社長。その手腕にますます期待が高まります。