株式会社こてら商店 話題店を訪ねて
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時代の流れに取り残されないよう、
お客様ニーズをしっかりと把握し、
変化を恐れずに挑戦していきたい。〒679-1211 兵庫県多可郡多可町加美区寺内117-1
電話:0795-35-0298 FAX:0795-35-0299
代表取締役:小寺 祥之(三代目)
主な取扱商品:機械工具・産業機械・建設機械・建築資材・金物・エクステリア販売・施工・建設機械器具貸業等
「ものづくりのコンビニ」として、豊富な在庫を活かした商売展開
和紙・杉原紙、酒米・山田錦、「敬老の日」発祥の地としても知られる兵庫県多可郡多可町。日本の原風景を感じる自然豊かな地域です。この地と同県加東市に店舗を構える「こてら商店」さん。小寺博史会長のお父様が兵役復員後に金物の行商を始めたことから商売が広がっていきます。「先代は、自転車で三木市まで行って商品を仕入れ、各家庭を回って販売していました。戦後すぐで、今のように整備された平坦な道ではないので、大変だったと聞いています」と語る会長。昭和42年に店舗を開店して行商から店売りへ。平成5年には店名を「ハンズコテラ」とし、店舗を改装。平成8年には小型建設機械・機械工具のレンタル業を開始されます。「新装開店時には、多彩な商品展示と、従来の金物店のイメージを覆す店ということで大変話題になりました。3日間で3,000人近くの来店客があり、行列ができるほどの大繁盛でした」と会長は当時を振り返ります。現在ではプロショップとして、ホームセンターと住み分けができており、職人さんにとっては欠かせないお店となっています。以来、「ものづくりのコンビニ」というスローガンを掲げ、豊富な在庫を活かした商売をされています。
令和元年、小寺祥之さんが三代目社長に就任されます。「事業継承に関しては、そろそろかなと思っていました。時代の流れに取り残されないよう、お客様のニーズに合わせて変化していくことが重要だと考えています」と社長は語ります。
ネットショップを店舗のPRとして活用。SNS等でも積極的に情報を発信
平成7年、同業他社に先駆けてPOSシステムを導入。当時はまだ全ての商品にバーコードが付いておらず、各商品にバーコードを貼り付けて1年がかりで商品登録を行ったそうです。このご苦労があったからこそ、その後スムーズな商品管理が可能になったと言います。こうした先進的な挑戦は他でもされており、レンタル事業もそのひとつ。「この地域は小さな建設業者、設備業者が多いので、小型建設機の他、仮設トイレや発電機等の貸し出しを行っています。少しでもお客様のお役に立てればと思い始めました」と語る会長。また早い時期からオンラインショップにも注力されています。社長は「ネットショップはアフターが心配という声もありますが、その点当社は実店舗があるので安心してもらえるようです。最近では他の地域のお客様がネットで見たと店舗に訪れることもあり、お客様の幅が広がったのかなと感じています。オンラインショップとしての役割の他、店舗のPRにもなっています」とのこと。さらにSNSでも積極的に情報を発信し、展示会等の集客アップにつなげておられます。
社長に接客のポイントをお伺いすると「お客様の目線に立った提案、熱意を持った対応を心がけています。例えばお客様が探している商品を置いていなくても、何がしたいのか、何のために必要なのかを聞いて、代替え品があれば提案する。目的によっては違う商品の方が適している場合もありますから」と話されます。
実績が認められさまざまな賞を受賞。地域にとって欠かせないお店
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平成30年、長く地域の産業発展を支えてきた功績が認められ、会長が黄綬褒章を受章。さらに令和元年、「ひょうごいいね!お店表彰」の大賞を受賞されます。「都会と比べれば、やはりお客様の絶対数が少ない。それでもお客様のニーズに対応し、必要とされてきたからこそ、長くお店をやらせていただくことができているわけです。その点は誇れることかなと感じています」と会長は話されます。
3年前の創業70周年の際には大規模な展示会を開催。「節目の年だったので、大きな会場を借りて展示会を行いました。多くのお客様に来場いただきましたが、我々が商社さんのような展示会をやるのは大変ですね」と笑う会長。今はメーカー個別の展示会を中心に行っておられます。
社長に売れ筋の商品をお伺いすると「コードレスインパクトドライバ(WH36DA)、コードレスディスクグラインダ(G3610DA)、コードレスロータリハンマドリル(DH36DPA/DH36DPB)など、やはりマルチボルトシリーズが好評。パワーが強いのはもちろん、18Vと互換性があって便利だという職人さんが多いですね。その点は販売側からも売りやすいポイントだと思います」とありがたい言葉をいただきました。
「今後、人口が減っていく中で売り上げを確保するため、店舗を増やすことを考えています」とビジョンを語る社長。地域に根ざしたお店として発展を続けてきた「こてら商店」さん、今後も楽しみなお店です。取締役会長 小寺博史さま