高松産業株式会社 話題店を訪ねて
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自社の効率化を追求するだけでなく、
お客様の負担を軽減し、業界全体の
発展につながる提案をしていきたい。〒760-0063 香川県高松市多賀町3-18-1
電話:087-833-4191 FAX:087-862-2677
代表取締役社長:河邊 育子(三代目)
主な取扱商品:工作機械・機械工具・伝導用品・電動工具・作業工具・配管資材・工場用品
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先代たちの教えを受け継ぎ、さらに発展させた経営を
瀬戸内海に面し、四国の玄関口として栄える香川県高松市。この地を中心に四国全域にわたって商圏を広げる「高松産業さん」。現社長の河邊育子さんのお父様、妹尾碧さんが機械に強かったことから、昭和21年に機械・工具商として創業されました。社長は幼少期より会社を継ぐことを意識されていましたが、結婚を機にご主人の河邊健さんがお店に入り、二代目社長に。「主人は畑違いの業界からの転職で、あまり人に頭を下げたことがなかったと思います。ただ、もともと頭の良い人で “商売とはなんぞや” ということを追求して、それまでの家族的な経営に、近代的な経営・合理的な視点を示してくれました。父は “約束を守る” を信条に、自分が手本となり、背中を見せて引っ張っていくタイプ。一方主人は、従来のお客様を相手とした商売だけでなく、大きな工場など新しい販路の拡大に注力。また社員指導も徹底していました。私は、父と主人、両方の経営スタイルを間近で見て、参考にできたので、今はとても助かっています」と語る社長。先代たちの良いところを受け継いだ舵取りをされています。
「高松産業」さんにお伺いすると、社員の方が元気良く挨拶をされます。「笑顔と挨拶は基本です。人に元気を与えるような挨拶をしてほしいので、朝、暗い顔で入ってきたり、声が小さかったら何回でも指導します。挨拶がしっかりできれば、他のこともできるんですよね」と、社長は挨拶の重要性を話されます。
業界全体のことを考えた見積り注文システムを展開
「高松産業」さんでは、25 年前にインターネット通販を開始。当時はインターネットで物を買うことが一般的ではなく、まだ早すぎたため一旦休止されました。しかし10 年前に社員が再開を提案し、現在順調に売り上げを伸ばしておられます。
そして特筆すべきは、株式会社フェイス&ネットという会社を立ち上げ、インターネットを利用した独自の見積り注文システムを展開されていることでしょう。これは日本全国の販売店が同じシステムを運用することで、お客様にとっては、1つのIDとパスワードでもって、従来取引きのある販売店を通じてメーカーのWebカタログが閲覧でき、同時に見積りや注文が可能となります。お客様は販売店ごとにID・パスワードを管理する必要がなく、業務を効率化できます。「もともとは主人が考えていたことなんです。商社がコンピューターによる注文システムを導入しはじめた頃、それぞれの会社が別々のシステムを持ってくるため、業務が非常に煩雑になる。そこで主人は、商社が集まってひとつのシステムにしてほしいと働きかけたわけです。その考え方がベースになっています」と先代の意思を具現化した社長。こうした思いに共感する販売店は、徐々に広がっています。「自社の業務効率化だけを追いすぎると、お客様の不便につながることがあります。このシステムは、我々販売店とお客様とのラストワンマイルの利便性を考えています。これは我々販売店にしかできない、我々が知恵を絞っていくべきことだと思います」と、社長は業界全体の発展を見据えておられます。
経営者はリスクを背負ってもチャレンジをするべき
展示会は、4月に西部営業所、6月に本社で開催。その他の主なPR活動としてはチラシの配布やメールマガジンの発行などを行っています。
HiKOKI製品について伺ったところ「コードレスは力が弱いというイメージがありますが、マルチボルトはパワーも充分。特にコードレスインパクトドライバ(WH36DA)、コードレスインパクトレンチ(WR36DA/WR36DC)は、HiKOKIにしておけば間違いないとお客様に好評です。その他、修理が早く、柔軟に対応してもらえるので、助かっています。今は電動工具の売り上げの90%がHiKOKIですね」と、うれしい評価をいただきました。
「社長業が楽しい、どのように仕掛けていくのかを考えるのが面白い。私は経営者に向いていると思う」という社長ですが、創業者のお父様、二代目のご主人が相次いでお亡くなりになられた時は、気持ちが落ち込み、何もする気が無くなったと言います。そんな社長を救ったのが、良寛の一句「散る桜 残る桜も 散る桜」だったそうです。「そうか、私もいつかは散る。遺された者として、今できることを一生懸命やろうと切り替えることができた」と話されます。
「チャレンジにはリスクがありますけど、そのリスクを背負ってでも経営者はチャレンジすべき」。バイタリティあふれる社長が、これからどのようなチャレンジを見せてくれるのか。目が離せない会社です。