新年 特別対談(2021年):KOKI PRESS

新年 特別対談(2021年)

工機ホールディングス株式会社・2021年新年特別対談

販売店様・ユーザー様が 求めることを形にし続ける
「カスタマー・イズ・アワ・ボス(お客様が 私たちの真の上司)」
の実現に向けて

明けましておめでとうございます。
皆様、新しい年を健やかにお迎えのことと心からお慶び申し上げます。旧年中は弊社製品の販売に格別なるご支援とご協力を賜り厚く御礼申し上げます。
年頭にあたり、弊社の今後の方向性につきまして、代表取締役 社長執行役員 森澤篤と常務執行役員 日本事業統括本部長 吉田智彦の対談をお届けしてまいります。

弊社も昨年はコロナウイルスの影響を受けました。その振り返りと、今年の取り組みについてお聞かせください。

森澤

昨年はコロナウイルスが、世界中の社会・経済に大きなダメージを与えました。現在も予断を許さない状況ですが、この難しい時期においても販売店の皆様には、さまざまな形でご支援・ご協力をいただきましたことをこの場を借りて初めに御礼申し上げます。我々の事業も2020 年の春先頃には大きな影響を受け、特に製品供給の部分に関しては、皆様に多大なご迷惑をおかけしてしまいました。しかし徐々に持ち直して、現在ではしっかりとしたビジネスが展開できるようになっております。引き続き、お客様に信頼いただけるよう邁進してまいります。
我々は今「カスタマー・イズ・アワ・ボス」というポリシーを徹底させ、全社一丸となって取り組んでいます。これは「お客様が私たちの真のボスである」という意味です。「事業は自分たちのためではなく、お客様のために行うものである」という考えを全社に発信しています。製品を開発する際も、技術的な優位性を追うことはもちろん大事ですが、それだけではなく、我々のボスである販売店様やユーザー様にとってベストなものは何かを考えます。実は技術的な優位性よりも、使い勝手やデザイン性が求められているのかもしれません。お客様が本当に必要とされているものを追求していく決意で取り組んでいます。

吉田

これまではメーカー目線、一方通行の製品開発やプロモーションもありました。現在は販売店様やユーザー様の声にしっかりと耳を傾け、お客様を一番に考えた施策を行っていくことを心掛けており、今後もこれを追求していくことをお約束します。従来の常識を壊すようなことでも、お客様に喜んでいただけるのなら、積極的にチャレンジしていきたいと考えております。

弊社はグローバルで事業を展開しています。その中で日本市場についての位置付けや重要性をお聞かせください。

森澤

弊社グループの本社は日本にあり、製品開発や企画などの中枢機能はすべて日本にあります。今後、世界を相手にシェアを拡大していくと考えた時、日本市場は非常に重要であると感じています。なぜなら、日本のユーザー様が工具に求める要求水準の高さは、世界でもトップクラスだからです。職人さんたちはご自身の仕事に誇りを持っておられ、パワーだけでなく、使い勝手や精度など、工具に対しても非常にこだわりが強い。こうしたプロのユーザー様を相手に事業を展開するということは、私たちは鍛えていただけるわけですから、国内で認められればグローバルでも勝てる会社になると、私は思います。このため、日本市場は最も重要な市場として、今後も強化していきます。

吉田

日本発のグローバル企業として、まず母屋としての日本が大切です。日本に元気がないと、世界も元気にできません。私は日本事業統括として、そうした点を意識してチームをリードしています。昨年は幾つかの新しい取り組みを行い、大きな手応えがありました。結果として、我々と共に歩みを進めていただけるという販売店様も増えています。叱咤激励も多く頂戴していますが、その一つ一つが愛情の裏返し。こうした声にしっかりとお応えしていくことも「カスタマー・イズ・アワ・ボス」のひとつの形です。そして販売店様と共に更に成長していきたいと考えております。

森澤

日本市場の重要性を考えると、製品はもちろん、アフターサービスやマーケティングなど、日本初の取り組みがどんどん出てくると良いなと思いますね。

吉田

この業界は技術革新だけでなく、商売のやり方に関しても改革の可能性が眠っていると感じています。たとえば、職人さんの道具は、黒など落ち着いた色使い・デザインであるべきだという固定概念が我々にもあったのではないか。ユーザー様の好みや流行を取り込んでいくことで、ユーザー様は新鮮に感じるかもしれません。電動工具に対して消費財のマーケティングがそのまま通用するとは考えていませんが、参考となるアイデアはたくさん持っていますので、期待していただきたい点でもあります。

昨年10月に発売した新形インパクトドライバWH36DCのカラープレートも好評です。ユーザー様や販売店様からも、面白いことに取り組んでいるねという声もあります。

森澤

カラープレートに関しては、職人さんのカスタマイズできる工具があってもいいのではないかという一言がきっかけでした。そこからいろいろなアイデアがポンポン出て、すぐにカタチになったわけです。こうしたニーズを形にして市場に出せる点も弊社の強みのひとつではないでしょうか。もちろん日立工機時代からの技術面での圧倒的な優位性は、今後も一切妥協するつもりはありません。そこはさらに強化しつつも、我々の優れた製品群をユーザー様の体験にどう落とし込んでいくか、議論を重ねながら進めていきたいと考えています。

昨年は売れゆきは好調ながらも欠品で製品をお届けできない時期がありました。マーケットにおける新製品の重要性についてはいかがですか。

吉田

プロのユーザー様は常に新製品を求めている、そして当たり前ですが、職人さんたちは本物を求めている、と改めて感じました。職人さんの要望に応えた製品をお届けできれば、その手応えというか、反響はすごいものがあります。我々としても、単に新製品を出すだけでなく、実力を伴った本物の新製品を出さなければならない、と身が引き締まる思いです。

森澤

我々のメインターゲットとなるプロのユーザー様は、良い製品はすぐにわかっていただけます。このため、日本市場は大変やりがいのある市場だなと感じています。

吉田

職人さんにご満足いただければ、販売店様も弊社もうれしい。WIN-WIN-WINの関係が構築できます。現在、デモカーで実際に現場に出向いて職人さんたちに我々の製品を触っていただく機会を設けております。タッチ&トライと呼んでいますが、実際に触ることで製品の良さを理解していただけますし、ご意見・ご要望があれば頂戴して持ち帰ることができる。販売店様にもユーザー様にお勧めしていただきやすくなります。この活動は今後も積極的に行ってまいります。

森澤

一人でも多くの職人さんに我々の製品を触ってもらうためには、販売店様のお力が必要です。数多く頂いている実演機のご要望にできる限りお応えしつつ、販売店の皆様からのお力添えをいただき、共に電動工具業界を盛り上げていきましょう。

修理・アフターサービスに関するご要望もいただいております。アフターサービスに関する今後の取り組みを教えてください。

吉田

弊社の製品がいかに素晴らしくても、アフターサービス対応に不安があれば使っていただけません。これまで修理拠点によって、修理期間や作業内容にバラツキがあったため、それらを改善するための活動を開始いたしました。すでに販売店様から修理期間が短くなって、HiKOKI(ハイコーキ)を勧めやすくなったという声も届いています。まだまだ足りないところはあると思いますが、アフターサービスは更に強化して参りますので期待していただければ幸いです。

森澤

期間短縮、作業内容の統一など、アフターサービスの満足度を高めていく取り組みが本格的にスタートしました。これまでアフターサービスの面で不安のあったお客様も安心して我々の製品を使っていただける体制を整えています。ぜひ、ご期待ください。

今後も「カスタマー・イズ・アワ・ボス」を推進し、販売店様のご期待にお応えすべく全社一丸となって取り組んでまいります。本年も皆様のご支援とご協力を何とぞよろしくお願い申し上げます。